ビジネス用語シリーズ:仕事を進めて行く上で、何気なく使っている言葉や、誰かに聞きたいが聞けない用語などを、できるだけ簡単にやさしく、小生の経験も踏まえて説明してまいります。あなたのビジネス力向上に寄与するシリーズです。シリーズの関連用語は、上部の「ビジネス用語」カテゴリーをご参照ください。
今回は、PDCAです。あなたは、PDCAを回せ!いわれる側?それとも部下に指示する方でしょうか?でも、本当のところPDCAって何なんだ?(いろんなレベルで・・・何?)。
本記事では、まずはPDCAをスーパーへの買い物を例にしてさっくり理解して、実際のところどうなのか?いろいろな回し方(本当に回るのか?)を、そしてPDCA各要素の定義やPDCAの歴史を含めて、コンサルや上司、うるさい部下に雑談めいた話ができるまで、理解を深めたいと思います。
そうは言っても・・・モヤモヤしたままPDCAを理解する!?
まずはPDCAをスーパーへの買い物を例にしてさっくり理解しよう
(別記事にしました・・・PDCAって何?って方は、リンク先へ(戻ってきてね・・・)。PDCAはわかってるけど、回し方がわからない・Aって何?って方は、下記を読み進めてみてください。)
PDCAを回せと言われるが・・・
検索でヒットして、いくつか見たけど、今一つわからず、ついに(いよいよ)この記事にご来訪頂いた方、ご来訪ありがとうございます。次のような疑問をお持ちではないでしょうか?
・Aって改善だから回らないじゃないか(Pにつながらない)。Plan-Do-Seeならわかるけど。
・人によって何か言ってることが違う気がする。なんか微妙に説明がぼやけている。
・スパイラルアップするの?
・PDCAはもう古い。今はOODAでしょ。
・PDCAのせいで、不正がはびこってんじゃないの?
・CAPDoじゃないの?順番は気づきからでしょ。
・ISO9000やらでやらなきゃいけないけど(会社の決まりになってる)、先任担当者もわかってない。
・そもそもPDCAって何?デミング・サイクル?
小生、そんなにPDCAにどっぷりつかったことはありませんが、個性的な上司の下で苦労したこともあり、いろいろ調べたこともあります。その経験をもとに本記事を書き進めたのですが、いろいろ調べたらいろいろわかったこともありました。小生の馬鹿馬鹿しい経験を織り交ぜながら、笑って読んで頂ければ幸いです。
お忙しい方に向けて、小生の考えをあらかじめ書きますと(結論じみてますが)・・・、
・Pが最初・・・というか、まず目的・目標設定・(小学校的に「ねらい と めあて」)ですよね。そこからP(プラン)。でも、Doの担当者がPDCAを回せって指示されることが多いので、そうすると順番変えてCAPDoでしょ?いえいえ、やっぱりP。CheckするにはPlan指示(めあて)が必要です。
・回すのが大事。というか、常に見直すのが大事。Pには目標再設定、顧客要望反映、適正利益設定や無駄だから止めちゃうまで入ってます。
・Aは改善だけど、改善の中にはPDCも目標再設定や評価・効果分析まで全部入ってますよ(だって、改善案考えて(P)、やってみて(D)、改善前後比較して(C)、初めて改善じゃないですか)。回ってるような、回っていないような・・・・(Aに到達したら、Aの中でくるくる回る???)。
・今はPDCAじゃなくてOODA(ウーダ)だ!って解説もありますが、OODAは最初が観察なんだけど、ミッションあっての観察だと思うんです。OODA解説にはミッションをどうやって決めるってプロセスが欠けているものが多いと思う。あと、実行部門もできなきゃ、やる前(Doの直前)に指示部門に返しますよ。
・PDCAの元になっているデミング・サークル(後述)では、販売後の再設計が肝だと思うのです。
まず、最初に上司のPDCAは?
あれこれ書く前に、あなたが指示された場合は指示者に聞いてみることをお勧めします。
後述するように、これが正解と云う教科書はなさそうですので、上司の理解は間違いではありません。
ちなみに、小生の過去の上司は、P→D→Cで、チェックで問題がなければDoに戻り、DoとCheckのループが理想(問題なしが継続)とおっしゃってました。しかし、上司の上司はCheckで問題がなくとも情勢の変化があるから必ずPに戻れとのこと(LOT毎や年度毎にP|直属の上司は無駄だと言ってましたが・・・)。更に、その上司の上司が改善発表会でCheckで問題がなくてもPに戻すように指摘したところ、同席しているコンサルタントから問題がなくともAに進むように怒られてました(上司の上司も、コンサルも、「あいつはわかってない」と、おっしゃってましたが・・・)。
私が遭遇したいろいろなPDCAの回し方
だいたい、上記で記載しましたが・・・主なものを挙げると
(1)P→D→C→問題がなければD→C/問題があればA→P→D→C
(2)P→D→C→問題がなければP→D→C/問題があればA→P→D→C
(3)P→D→C→問題があればA(Aの中でDo)→C→問題がなればDo(サイクルにPがない)
(4)P→D→C→A:Aは実行(サイクルではなく、実行する前にPDCでチェックしてから実行せよ)
(5)CAPDo:今やっていることをCheckから始める。問題があればA改善してPプランしてDo実行して、またチェック。ただ、小生は改善するとプランも実行もその中に入るのでAを独自解釈してAction Item List up(改善点列挙)として、改善点をPプランして、サイクル化してました。
(6)ちなみに最近比較対照されるOODAループもCAPDoに近くObserve(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)して観察に戻るループです。元は、戦闘機のパイロットの動作分析とその標準化だったようです。ここでのActはPDCAのDoに近いと思われます。
(7)よく聞くと、単に報連相(報告・連絡・相談の略)の指示だった事もあります。
PDCAの各要素
まずは、JIS Q9000(ISO9000シリーズ)から
− Plan:システム及びそのプロセスの目標を設定し,顧客要求事項及び組織の方針に沿った結果を出すために必要な資源を用意し,リスク及び機会を特定し,かつ,それらに取り組む。
− Do:計画されたことを実行する。
− Check:方針,目標,要求事項及び計画した活動に照らして,プロセス並びにその結果としての製品及びサービスを監視し,(該当する場合には,必ず)測定し,その結果を報告する。
− Act:必要に応じて,パフォーマンスを改善するための処置をとる。
(My Opinion)Aは必要に応じてなので、先に紹介した上司の上司と同じに見えます(Checkが良ければAを飛ばしてPに行くループ)。しかし、ここで「必要に応じて」が、Checkの結果によらないことは注目です。
次は、JIS Q14000(ISO14000シリーズ)から
− Plan: 組織の環境方針に沿った結果を出すために必要な環境目標及びプロセスを確立する。
− Do: 計画どおりにプロセスを実施する。
− Check: コミットメントを含む環境方針,環境目標及び運用基準に照らして,プロセスを監視し,測定し,その結果を報告する。
− Act: 継続的に改善するための処置をとる。
(My Opinion) JIS Q14000には、継続的改善が組み込まれているので、やったりやらなかったりはないのですが、定義にありますが継続的は連続的ではないので、中断は許されており適時実施で良いようです。
JIS Q9024 マネジメントシステムのパフォーマンス改善-継続的改善の手順及び技法の指針では、PDCAでもCAPD(CAPDo)でも構わないと記載されており、図示を読み解くと、
− Plan : (テーマ選定)ー現状把握ー目標設定-計画の策定
− Do : 要因解析-(対策の検討と実施)
− Check :(対策の検討と実施)-効果の確認
− Act : 標準化と管理の定着-(テーマ選定)
あと、Wikipediaは参考になります。いくつかのPDCAの解説記事で、日本語版ではなく英語版が参考になるとのこと。英語版では、AはActと記載されていますが、解説でadjust(調整:正す)とも呼ばれると記載されています。
別件で新入社員 ビジネス用語を調べていたらPDCAは、仮説 – 実行 – 検証 – 見直し を 繰り返しながら品質を高めてゆく考え方・・・だそうです。新入社員にPDCAを回せって指示したら仮説設定→検証にかかっても間違いじゃない様です。
改善(Kaizen)とは?
改善も定義が難しいですが、現場改善などでやっていることを小生なりにまとめると、
・対象職場がどのようなことをやっているか?把握する。
・目標・対象物は何か?確認する。
・対象職場を観察する。
・目標や、やり方は古くないか?調べる。
・お客様の声を聞く(後工程はお客様)。
・問題点を洗い出す。
・上手く行ってても改善点を探す。
(楽をする/人財を変える/コストダウン、水平展開、新技術導入、スピードアップなど)
・対策を考える/必要に応じて目標値の変更・前後工程の変更・材料変更・設計変更・コンセプト変更などを進言する。
・改善策をやってみる。
・改善後の結果を比較する。発表する。褒められる/怒られる(経験上、怒られることの方が多い)。
(改善だけでPDCAを全部やってる気がするが・・・実際、JIS Q9024では、改善だけでPDCAが回ってます!)
歴史を紐解く
小生が最初にPDCAを教わった時に、Plan-Do-SeeサイクルのSeeをCheckとActionに細分化したものと教わりました(だからPDCAはサイクルなので回せと・・・)。また、PDCAをデミング・サイクルとも教わりました。Plan-Do-Seeサイクルから、PDCAに変わったいきさつでもわかれば、PDCAの回し方もわかるのではないかと、ちょっと調べてみました。
・アメリカの統計学者エドワーズ・デミングさんが、1950年に日本科学技術連盟(日科技連)で講演を行った際に、デミングさんの師匠であるシューワートさんのシューワート・サイクル<仕様 Specification →生産 Production → 検査 Inspection>を変更し、<設計(Design)→ 生産(Produce)→ 販売(Sell)→ 再設計(Redesign)>として紹介(これはデミング・サークルと呼ぶ方もいるとのこと。本記事では、デミング・サークルと呼びます)。
・1951年、日科技連がデミングさんの紹介されたものを、PDCA(Plan-Do-Check-Action)として紹介・展開。
・PDCA(Plan-Do-Check-Action)を動詞に統一して、(Plan-Do-Check-Act)に変更。
・その後、デミングさんは、PDCAは正しくないと指摘。Checkが食い止めるの意味があるからとのこと。その後、PDSA(Plan-Do-Study(研究)-Actサイクル)を提唱(したが、これも気に入らなかったようでもある)。
ということで、PDCAは日本製で、世界に広まったらしい・・・驚き!
Aって(My Opinion)
Action → Actがいつ改善になったのかわからないが、意訳だと思う。
PDCAの元になったデミング・サークルが販売→再設計と進んでいることからも、AではCheck結果を受け止めて、行動すること。つまり、図面変更・工程変更はもとより、やめる・変える(仕様変更・契約変更)などの経営判断もここに位置すると思う。
Plan-Do-See→PDCAへの変化で、See→Check + Act との見方もあるが、ActにはPlanの一部も入っていると考えた方が良いと思う(ねらい と めあて の見直しも含まれる)。
あるいは、広い意味での改善(改悪しない為の行動と言い換えてもよいかもしれない)を意味するのかもしれない。
あるいは、上記の改善(Kaizen)で述べたように、PDCの繰り返しへの突入に入る/改善ループへの移行を示唆しているでもよいかもしれない。そうすると、PDCAはAで打ち止めで、サイクルにならないが・・・・。
(2) ・・・ (1)がないが
デミングサークルから、忠実に投影すると、Aは販売にあたると思います。
PDCAの定義がJISなどから逸脱しますが、工業製品をメイン・ターゲットにしていた事を考慮すると、
P:プラン(企画・情報収集・ビジョン決定・ゴール決定・設計(仕様・図面)・工程設計・職場設計・人材人員配置・教育・・・やることいっぱい)
D:作る(部品・材料購入、製作・確認・点検)
C:検査(合格ならリリース)
A:販売・稼働・実践
P:プラン(情報収集・クレーム分析・ビジョン見直し(やめる・変える・続ける)・判断・ゴール再設定・再設計・工程変更・チーム再編成・・・など)
D:
・
・
こっちの方が、自然かなと思います。
(3)Analysis
Aを分析と捉えると、自然に回ります。OODAに近い考え方になると思いますが・・・・。
チェックした内容を分析して、分析内容を基に再プランして実行。そして再チェック・・・。
OODAでも触れましたが、有名企業のCMの情報→分析→戦略→決断の分析です。
おまけ・・・監査の時は・・・
監査に対応するため、検索されて本記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれない(自分がそうだったので・・・)。
監査の際は、持論を展開すると落とされるので、該当監査の規定(JIS Q9001とか)に書いてある通り、受け答えをしなければいけません。たぶん、経営方針・環境方針・社是まで見直すなんて言ったらびっくりされます。
また、監査員によって微妙に解釈が違うので、雑談できる時間があれば、JIS Q9001とJIS Q14000のActの違いとかを引き合いにして、監査員のお考えを聞くと面白いかもしれません。監査員のバックボーンとか聞けることもあります。業界によって違ったり、現場改善なのか、経営改善も含むのかとか・・・。現場改善と経営改善では手順が全く違うので、両方とも出せるように準備するとか、別の時間で説明できるようにしときましょう。
Different view 大事なのは回すこと、戻せること、見直すこと
大事なのは、常に(適正な間隔で)ねらいを含めてすべてを見直せるようにしておくことだと思います。作業した結果も、販売した結果も、お客様からの声も、時代の変化も。
あと、PDCA批判で、戻せないので遅くなるとありますが、実行部門でDoする前に、間違いに気づいたらPlan部門へ返せば良いだけです。折角、気付いたのですから・・・。そうもいかない組織的な思惑もあるかもしれませんが・・・。
参考
関係する当ブログの記事です。
→生産管理のペンタゴン 何かを生み出すときに必要な要素→
OODA(ウーダ)ループとPDCA・CAPDo比較
QD/C入門の入口 QCDとQDC。Deliverlyって何?
4M:Man Machine Material Method 何かを生み出す際に準備すべきもの
4S・5S活動(整理・整頓・清掃・清潔)の次に何が来るかで貴方の年齢がわかる?
関係リンク
PDCA – Wikipedia
PDCAサイクル – Wikipedia
OODAループ – Wikipedia
日本産業標準調査会:データベース検索-JIS検索
登録すると、JISが参照できます。

