僕には鳥の言葉がわかる 鈴木 俊貴著 読書感想

僕には鳥の言葉がわかる 鈴木 俊貴著 読書感想

おススメ度:★★★★★
 鳥が、チュンチュン、ピーチク・パーチク、カーカーカー。普段、聞き慣れているようで、正確に何を話しているのか、わかる事はない・・・・ところが、鳥の研究者である著者が、シジュウカラの鳴き声を解明し、しかも他の鳥もその鳴き声の意味を理解しているという。利己的遺伝子という枠を超えた動物たちの協力関係も解き明かした、うらやましい研究者生活を綴った一冊です。全編、重苦しくない口調でつづられており、読みやすいです。

あらすじ

 動物好きだった少年時代から、双眼鏡を手にして鳥に興味が集中し、大学で軽井沢の林の中で過ごす(これはこれで凄い極貧?生活なのだが・・・)内に、小鳥たちの音声コミュニケーションに気付き、観察や実験を行って行く。
 そして、小鳥同士のコミュニケーションや、親鳥とヒナの音声コミュニケーションを確認し、これを学会で発表するとセンセーションを起こす。従来、小鳥は感情を鳴いて表すと考えていたが、鳴き声が言葉(単語)を示していることを証明し、驚きをもって迎えられる。
 さらに、言葉(鳴き声)を組み合わせて会話していることを、芸人のルー大柴をヒントに証明する(ルー大柴に活躍が認められて喜んでいる)。
 そして、鳥が言葉を文章にして会話していることの周知させるために、講演会やラジオ・テレビ出演を行い、本書の発刊に至っている。さらに、「動物言語学」と云う学術の一分野を切り開くのである。

目次

はじめに
鳥たちの世界へ
小鳥がえさ場で鳴く理由
救いと拷問のキャベツ
ヒロシ先生の思い出
巣箱をかけた話
都会の住宅事情
繁殖の観察
修士課程の秋と冬
巣箱あらしの犯人
大発見!ヒナの力
バースの思い出
動物の博士
実家の巣箱
ヒナ救出大作戦
井の中の蛙
シジュウカラに言葉はあるのか?
「ジャージャー」はヘビ!
シジュウカラは文を作る
ルー語による文法の証明
「ぼく・ドラえもん」実験
翼のジェスチャー
カエル人間救出作戦
動物言語学の幕開け
おわりに

シジュウカラの鳴き声を聞いてみよう
参考文献  ・・・ 260頁

感想

 まず、うらやましい・・・・との一言が出る。
 好きなことを職業にして、問題を把握・分析して、推論・証明を試みる。対案を考える。
 本書では、さらりと軽く書いているが、実際は孤独の中の悶々とした苦悩の中をもだえ苦しんだのではないかと、行間から想像できる。ルー語(お笑い芸人ルー大柴の英語・日本語交じりの独特の言葉・話芸)による文法証明などは、aha!効果(何もなかったり、突飛なところから急に思いつく現象)の典型を見ている様だ。

 日本人は鳥の鳴き声を言語化するのに、有利なアドバンテージがある。日本人は鳴き声などを擬音として聞き取るのに慣れている(カタカナとして書き留める)(日本人は左脳で言葉として聞く/外国人は右脳で聞く・・・との説もあるが、証明されないばかりか、最近は否定されている様だ)。

 本書を読み終えて、ひとつ疑問が残っている。それは、シジュウカラの親鳥の声とヒナの行動の関係だ。ヘビが巣に近づいてるのを見た親鳥は餌を口から離して「ジャージャー」と泣き出し、その声を聞いたヒナは巣箱から飛び出すのだ。これは、(可哀そうではあるが)著者によって他の巣で実験され再現された。これにより、ジャージャーはシジュウカラ共通のヘビに関する言語だと確認された・・・・確認されたのだが、ジャージャーはいつヒナに学習されるのだろう?親鳥がヒナにヘビを見せてジャージャーを学習させる機会はなさそうだ。人間と違い、言語能力まで遺伝されるのだろうか?・・・・シジュウカラは人間ではないので、人間のモノサシに当てはめてはいけないのだが。

関係リンク

鈴木俊貴 – Wikipedia
鈴木俊貴|TOSHITAKA SUZUKI ・・・ 公式?ページ
Suzuki Lab

ルー大柴 – Wikipedia
 ルー大柴オフィシャルブログ『TOGETHER』

アハ体験 – Wikipedia
 エウレカ – Wikipedia


日本人は左脳で鳴き語を聞く・・・関連
 虫の音 – Wikipedia
  角田忠信 – Wikipedia
 最近では、NHK朝ドラ「ばけばけ」でもヘルンさん(小泉八雲さん)が虫の声を聞く(めでる)シーンが印象的です。

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