ビジネス用語シリーズ:仕事を進めて行く上で、何気なく使っている言葉や、誰かに聞きたいが聞けない用語などを、できるだけ簡単にやさしく、小生の経験も踏まえて説明してまいります。あなたのビジネス力向上に寄与するシリーズです。シリーズの関連用語は、上部の「ビジネス用語」カテゴリーをご参照ください。
今回は、「RCCA 根本原因是正対策・RCA 根本原因解析」です。
はじめに
何度是正しても、同じような問題が再発し、顧客や上司に「根本原因是正」「恒久対策」を指示され、それって何?っと、言う方に、簡単に根本原因是正を解説致します。
ポイントは、即時是正・暫定対策と恒久対策・根本是正の違いを理解することです。
たぶん、肌感覚で、自分が顧客の立場で問題発生した際に、是正先から、「なんか薄っぺらい対応だなと感じる是正」と「ちゃんとしてるなと感じる是正」の差になっている部分です(小生の経験による)。
根本原因是正・恒久対策とは
根本原因是正対策(RCCA:Root Cause Corrective Action)とは、簡単に書くと、問題が発生した時に、問題の直接原因のみならず背景にある根本原因(真因)を追究し、真因に対して是正対策を行うことで、再発防止を行う一連の流れです。
一般的な順序は、発生した問題に対して、直接原因に対して即時是正・封じ込めを行うとともに、真因を追究するために根本原因解析(RCA:Root Cause Analysis)を行い、真因に足して根本是正対策を立案・実行し、有効性確認を直後と一定期間後に行います。
根本是正のステップ
問題の特定
発生した問題を特定致します。
検査不合格、顧客指摘やクレームなどから、内容を整理します。
4Mや3Hなどを用いて、関連情報も収集します。三現主義なども重要です。
一連の流れで重要な位置づけですが、大抵の場合時間に追われるので、締切り設定と調査深度・進度とのトレードオフになります。
即時是正・封じ込め
特定された問題に対して、アクションをとります。至急対策・暫定措置などとも呼ばれます。
問題が再発しないように確認された原因に対して対策をとります。
有効な対策が見つかるまでの間、製作を止めるのが一般的です。止められない製品の場合は、止められるところまで進めて止めます。
また製作済の製品に関しても、同様の問題が発生していないか確認します。ただ、破壊されないと確認できない内部の問題などは、一旦出荷を停止・顧客に通知するなどして、流出・再発を予防します。そののち、確認方法を検討し実施します。
例えば、作業者に発生問題点を伝え、特定できていれば注意点を指導し、問題点の検査ポイントを設ける、製作済のものについては、出荷検査に該当確認ポイントを追加、倉庫内の在庫も確認する等の流出防止策をとります。
根本原因解析・真因調査
続いて/即時是正と並行して、根本原因解析(RCA)にかかり、真因(是正対象要因)を突き止めます。真因は1つとは限りません。独立して複数あることもあれば、複数が重なった時に問題が発生することもあります。
根本原因調査で一番行われているのは、なぜなぜ分析ではないでしょうか?
不具合事象・問題点を分析のスタートとして、なぜを繰り返し根本原因を探ります。要因をブレークダウンして行き、行きついた要因に対して対策が取れるならば根本原因として取り扱い、根本是正へ進みます。根本原因は1つとは限りません。
根本原因調査の鉄板は、FTA(フォルトツリー:Fault Tree Analysis 故障の木解析)です。お客様や上司から要求されることもあります。
トップイベントを発生問題点として、関与する要因を演出し、系統付けして行きます。そして、発生事象・状況に当てはまる要因を抽出・特定します。ですが、FTA作成はスキルと労力がかかり、抽出漏れや発生問題に関係のない要因抽出を伴うことが多く、スピードを要求される際には向かないことがあります。ので、まずは、なぜなぜ分析で始めさせて頂いて、根本原因抽出・根本是正とさせて頂く(と、大変助かります)。
FEMA(故障モード影響解析: Failure Mode and Effect Analysis)は、主旨が根本原因解析ではありませんが、同様に取り扱います。もしFEMAがやってある工程などで、もし発生事象がFEMAの結果と合致していれば、該当工程を調査・改善します。
特性要因図が作られている場合は、該当要因を抽出します。また、根本原因是正対策ではありませんが、なぜなぜ分析で対策が取れない場合なども、特性要因図を作成し、該当要因に対してしらみつぶしに対策をとって封じ込めする方法も残されています。
根本是正(立案と実施)
選出された根本原因に対して、対策を立案して、実施します。
主な対策は、しくみへの落し込み(手順書変更や規則改訂、マシンのシーケンス改訂、プログラム変更など)、教育資料作成(ワンポイント・シートなども含む)と教育実施(朝礼での紹介も含む)などです。
教育資料は、新人・転入者の教育資料とカリキュラムに組み込むことで恒常的にしくみとして教育されることが重要です。また、お客様に根本原因是正対策を要求された際は、教育報告書の提示を要求されることがありますので、朝礼で展開した場合でも報告書の作成を行っておいた方がベターです(発生事象が「やり忘れ」の場合は、教育の「やり忘れ」がないか突っ込まれる事があります。その場でさっと教育報告書が出ると信用されることが多いですし、まだ職場展開中の場合は完了までのスケジュールがメモでもあれば信用されます・・・お客様から言われて後日出すと信用がた落ちです。気を付けましょう)。
小生が大事な点だと思っているのは対策の事前検証・・・というか対策に効き目があるか、ちょっとだけ考えてみることです。
下記の有効性評価とやや重複しますが、対策実施前に立案した是正を実施したら発生問題が再発しないか、考えてみます(検証が正しいですが、検証などと大それずに、ちょっとだけ考えてみてください)。
根本原因解析で、へろへろに疲れ切ってしまい、できない対策を立案してしまい、実際には対策内容の何分の一しか実施できない場合や、なぜなぜ分析で起こりやすいですが、風が吹けば桶屋が儲かる式の要因毎のつながりはあるのですが、繰り返してゆくうちに当初の発生事象とはかけ離れた要因になっていることがあり、かけ離れた要因に対して対策をとっても是正にはならないことがあります。例えば、お客様の立場で、提出された是正対策を拝見すると、対策になっていないことが一目瞭然のことがあります(大規模のなぜなぜ分析結果(チャート)が添付されていたりして努力は認めるのですが・・・)。
有効性評価
一般の改善と同様ですが、一回実施したら改善されたか確認します。
また、一定期間後に対策が定着しているか確認します。
一定期間後の再確認は、対策開始直後は、作業にかかわる人々が細心の注意を払って作業を行うのが一般的で、無理に言えば対策をとっていなくても問題は発生しないことが多いからです・・・改善に参加した効果(前向きなモチベーション)などもあります。
このため、実は対策が有効でないのに、問題が解決してしまっている様に見えることもあります(なぜなぜ分析で剥げが吹けば桶屋後儲かる式の分析・対策でも、改善参加効果で問題が再発しないことがある)。一定期間後に確認することで、対策(例えば落し込んだしくみ)が標準的な作業で機能していることを確認するのはとても重要です。
定期社内監査などが行われている会社の場合は、監査に組み込むなどのしくみが重要です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
根本原因解析を指示され、ネットで調べたけど、難しくてわからない・・・っという方に、最初の一歩として、なるべく優しい口調で紹介致しました。小生の経験なども参考にしていただければ幸いです。
参考
当ブログの関連記事です。
→まずはPDCAをスーパーへの買い物を例にしてさっくり理解しよう→
←3H(はじめて、変更、久しぶり) ダジャレ?いえいえミス・ケガの注意ポイント 結構深い
なぜなぜ分析 簡易版の勧め
4M:Man Machine Material Method 何かを生み出す際に準備すべきもの
参考リンク
根本原因解析 – Wikipedia
Root cause analysis – Wikipedia(英語版)
風が吹けば桶屋が儲かる – Wikipedia

