ビジネス用語シリーズ:仕事を進めて行く上で、何気なく使っている言葉や、誰かに聞きたいが聞けない用語などを、できるだけ簡単にやさしく、小生の経験も踏まえて説明してまいります。あなたのビジネス力向上に寄与するシリーズです。シリーズの関連用語は、上部の「ビジネス用語」カテゴリーをご参照ください。
今回は、「なぜなぜ分析」です。
なぜなぜ分析とは
本記事にたどり着いた方は、問題が発生して対策をとるためになぜなぜ分析を調べたのだが、よくわからない。難しくて、入り口にも立てない(分析にかかれない)取り掛かれないまたは、なぜなぜ分析をして対策をとったが、再発してしまって、何とかしたい。上司にやれと言われて困っている・・・などの方が多いかと思います。そういった方は、なぜなぜ分析の解説を飛ばして、小生からの提案から読み進めてください(やり方が違うかもしれないので、後で自分のやり方と比較してください)。
なぜなぜ分析の解説・やり方なども、小生の経験から書き起こしていますので、他の解説本とちょっと違うかもしれませんが、どうか笑ってお読みください。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、発生した問題の真の原因を明らかにするための手法の一つで、問題点が「なぜ」発生したかを要因を検証し、更にその要因が「なぜ」発生したかを要因を検証し、「なぜ」と要因抽出を繰り返し、真の原因にたどり着くための方法です。また、真の原因を明確にすることで、真の原因に対する対策を行い、再発を防止する事を主眼にしています。
5WHY(ファイブ・ホワイ)とも呼ばれています。経験的に5回目以内のなぜで対策が取れることが多いですし、何はなくとも5回繰り返してみるとの滑り出しもよいと思います。

なぜなぜ分析のやり方
なぜなぜ分析のやり方について、大枠は簡単です。
左上のような図表をよく使います。
まず、左上に発生した問題を記入します。
次に、その問題がなぜ発生したかを右に記入します(要因・なぜ1です)。複数ある場合は、同列に記入します。問題と、それぞれの問題を線で結び、ブレークダウンの関係を明確にします。
次に、各要因に対して、なぜ発生したかを右に記入します(なぜ2)。これを繰り返します。
場合によっては、なぜは無限に繰り返すことができてしまいます。
どこまでやるか(繰り返すか)ですが・・・・
(1)要因に対して、対策が可能ならば、そこで掘り下げをストップします。検討の結果、対策が取れない場合は、掘り下げを再開します。
(2)一般に、要因が人の心の中に立ち入った場合はストップします。これは、
・再発防止対策として、しくみを作ることを想定するため、心の中は対策が取れないことが多いです。
・心の中をなぜなぜ繰り返すと、該当者を追い込むことになることがあり、再発防止策にはなりません。この点(該当者を追い込む事)は、本当に気を付けましょう。聞取り関係者や参加者をよく見てなぜなぜ分析を進めましょう。
(3)対策が取れない要因に至った際はストップします。
・該当要因を除いた他の要因に対して対策をとって再発防止となるか検討します。
・再発防止にならない場合は、なぜなぜ分析以外の手法の適用を検討します。
・包括的な対策検討などを選択することが多いです。
2つのアプローチ(あるべき姿から、原理原則から)
なぜなぜ分析(原因究明)を進めて行く際に、2つのアプローチがあります。
分析結果を進める際に評価者(お客様、上司など)から、どちらのアプローチを使用したか聞かれることがあります。簡単にアプローチを手法を理解しておきましょう。なぜなぜ分析を解説した本の中には、アプローチ手法は、発生問題に応じて選択するとの説明もあります(そう言った本を読みこんでくる上司も多い)。
結構、内容理解と実践は難しいですし、小生は当初このアプローチ手法で躓きました(そして、無視して進めています・・・上司には嫌味たっぷりに言われますが・・・大事なのは、再発防止を行うことですよ・・・小さな声)。
あるべき姿からのアプローチ
その名の通り、あるべき姿(理想像)を思い浮かべ、現在の実情との差を検討します。
こうあるべきだが、現況は何かが足りない・・・などです。
原理原則からのアプローチ
問題の原理原則を考えながら進めるアプローチです。
なぜその問題は発生しているのか?を考えます。
例えば、手元資金が枯渇した・・・収入が足りないから/支出が多いから・・・などです。
たぶん、なぜなぜと聞いて原理原則からのアプローチを思い浮かべる方が多いと考えています。
なぜなぜ分析の主なポイント
小生の経験から、ポイントを書き出してみます。
・問題点
・簡潔に、主語・熟語を書きます。「何に何がおこったか?」不具合事象だけを書きます。
・発生状況・現況などは、問題点の下部に詳細に記入します。
・発生状況などは、なぜなぜ分析を進める際にも必要です。
・参加者全員が共有できるようにします。
・参加者一人一人の気付き点なども記入して共有します。
・また、上司やお客様にも分析シートを見て頂く際にも状況を共有するために必要です。
・また、後日、分析内容を振り返る/第三者が検証する為にも重要です。
・第一、第二のなぜをここに混ぜてしまう失敗が多いです。問題・不具合の中核のみを切り出します。
・原因
・簡潔に、主語・熟語だけになるように記載します。「段差でつまづいた」など。
・なぜなぜ分析ですが、「どうして」で分析することをお勧めします(特に仕組みで対策をとる場合)。「なぜ」だと真の原因ではなく哲学的な真理探究まで深入りして再発防止対策とは縁のないブレークダウンに発展することがあります。人間の性善説と性悪説に発展して、人間だからしょうがないみたいな議論に発散することがあります。
・分析を進めると、同じ要因にたどり着くことがあります。その際は要因と要因を結ぶ線を合流させます。
・原因ツリーが出来たら、右端から「なので」「だから」を加えて読み戻ります。問題点まで「要因2だから要因1となった」「要因1だからこの問題が発生した」と、スムースに読めることがベターです。
・あまりにスムースに読めない場合は、書き直してみるか、詰まったところで再分析してみます。
・問題点は何だったかを常に要因設定の際に意識します。要因同志は関連性が高いのですが、問題と全然関係ないことがたまにあります。小生は、「風が吹けば桶屋が儲かる」式と呼んでいます。
対策
・右端の原因に対して、対策を設定します。
・違う要因でも、対策案が同じになることがあります。結ぶ線を合流させる/上記に同じなどで表現します。
・必ず、もし対策を実行したら、再発防止になることを検証します(せめて再発防止になっているか考えます)。原因でも上述しましたが、なぜなぜを繰り返すあまり、最後の要因となんか関係あるが、問題の対策になっていないことがあります。
・出来ることを提案・設定します。再発防止策でもできないことでは意味がありません。
小生からの提案
順不同で、ポイントを追記します/上記を繰り返します。
特に強調したいのは、単純に「なぜなぜ」をやってみる(スタートする)と、対策案が問題の再発防止案となっているか検証しておく、の2点です。
特におすすめの2点
単純に「なぜなぜ」をやってみる(スタートする)
・一番に、単純に「なぜなぜ」をやってみる(スタートする)事をお勧めします。
・「あるべき姿からのアプローチ」「原理・原則からのアプローチ」などを意識することも重要ですが、単純に「なぜ?」を繰り返すだけでも、結構深堀出来ることがあります(再発防止策につながることが多いです)。
・心の中に立ち入らないのが決まりなのですが、時に心の中を分析してみて、対策が取れるか検証してみることも、試してみる価値はあります。
ただし、対象者を追い込むことにならないように注意する事。また、対策が取れない/分析が続かない時は、すぐやめること。
分析が、心の中から、心の外に出て、結局別の分析(動作分析とか)とつながることが多いです(経験的に・・・なので、結局、心の中に立ち入る必要はない。注意喚起の表示をするとか・・)。
・何より、起案した対策を実行した際に、問題の再発防止策になるか検討、可能ならシュミレーションしてから実行にかかるべきです。
・原因究明ツリーが「風が吹けば桶屋が儲かる」式になっていると、各要因間の関連性はありますが、対策にはなりません。桶屋が儲からないと言って、扇風機で風を送る対策をしても問題点の対策にはなりません(町中に扇風機を設置したことあるのかとお叱りを受けるかもしれませんが・・・)。
・まちがった三現主義に陥らないように、なぜなぜ分析をある程度進めたら現場を見直すことをお勧めします。最初の純無垢の目での理解に続き、ある程度、理解が深まった目で現場を見ると最初とは違った深い理解を得ることがあります。
対策案が問題の再発防止案となっているか検証
頑張って分析を進め、再発防止案を書き出したところで、一旦立ち止まって、その対策を実行したら問題が再発しないか?、分析をいったん忘れて、冷めた目で検証してみることをお勧め致します。
上司やコンサルでさえも、問題点から分析ツリーを経て再発防止策を説明されると、説得力があり、納得して防止策実施にかじを切ることがあります。
でも、例えば、風が吹けば桶屋が儲かる式だと、対策になっておらず、問題が再発します。町中に扇風機を設置しても、桶屋が儲かるとは限りません。
この検証過程が、なぜ、どの本にも書いてないのかが、小生不思議でなりません。
その他のポイント
順不同で列挙します。
・分析は、「なぜこうなったか?」と「なぜ見逃したか?」の視点を持つと、進めやすくなります。
・対策は、しくみ(ハード・ソフト)と教育体系の充実になることが多いです。ちょっと、意識しておくと、対策案の立案が楽になります。
・ハードは、ポカヨケ装置(自動で止まるなど)、目に入るところに注意書きなどが代表格。
・ソフトは、規則設定、手順書への盛り込みなど。しくみへの落とし込みが代表格です。
・教育体系への充実(盛り込み)は、一過性にならないようにすることが大事です。
・朝礼で関係者に事例教育だけでなく、新入・転任者への初期教育に過去の不具合事例で盛り込むなどです。
・問題点の抽出は、大事な要です。ここで失敗することが多い。
・自職場是正の際は良いのですが、改善チームなどで問題点抽出を行う際は、間違った三現主義にならないように十二分に注意しましょう。ちらっと見ただけではわからないことも多いですし、説明してくださる職場責任者が勘違いして問題がスタートしていることもあります(勘違いの説明を鵜呑みにしてスタートしてしまうと解決まで遠回りになることがある)。
まとめ
簡単に、なぜなぜ分析のとは何か?、進め方やポイントをまとめ、その次に簡便ななぜなぜ分析をまずやってみること、対策案を考えたら、問題に立ち返り再発防止策になっているか検証することなどをご説明致しました。
なぜなぜ分析は、自由度が高く、やり方によってはFTAにもなり、特性要因図の様になります(なっちゃいます)。対策案に結びつくことが重要です(逆に、ストップしましょう)。
小生自身、なぜなぜを始めた頃に、(後ろ向きに使ったのですが)問題発生職場ですぐに立案した解決策が、なぜなぜ分析での要因に結びつかないため、解決策にならないと気付かされたことがあり、なぜなぜ分析の威力に驚いたことがあります。
なぜなぜ分析を実施する際は、問題が発生してからですので(さらに再発が繰り返し起こった場合などだと思われます)、いろいろと大変な状況だと思いますが、小生の経験が少しでも役立てればと思い、本記事を書き進めました。お読み頂いた方の実力向上と幸運を祈念しております。
追記 人間関係?パワハラ?ダメですよ
失敗をした時に、しつこく何度もなぜなぜ分析を要求してくる上司がいて、なぜなぜ分析に対して悪い印象を持っている方も多いようです。
よくとらえれば、真因を明確にして再発防止を図る習慣をつけさせたい・・・のでしょうが・・・。ただでさえ、要因が特定の人間に絞られてくると、次のなぜは心をえぐるようになってきます。そこを無神経に進められると人格が崩壊してしまします。理解の上勧められているとは思いますが・・・・。
悪い印象を持たれるということは、恐らく、上司の上司から受け継がれているのではないかと思います。そして、心の中にも立ち入って、再発防止とは縁遠い追及をされているのではないでしょうか?そんな状態では、なぜなぜ分析で心の中に立ち入ってはいけない・・・とは言いづらいです。
「なんでー」「それはどーうして」・・・そんな大声が聞こえてきそうです。
ただ、顧客から要求されることもあるなぜなぜ分析ですが、根本原因を究明して対策を講じていないと・・・そういった姿勢が見えてこないと・・・本気で取り組んでいる様に見えないことがあります。これは、小生が個人財産を投げ打って購入した大事なものに設計不良があった時の相手の対応で身につまされました。「今後気をつけます」では、「今まで気をつけずにやっていたのか?気をつけていたろう?今までとどこが違うんだ!」「今後、再発しない保証は?どうしたら任せて安心できる?任せてよいのか?」っと、次々、発展して行きます。一つの答えとして、根本原因是正対策RCCAがあり、その根本原因分析の手法の代表格として「なぜなぜ分析」があります。
様々な失敗があり、小生自身も様々な申し開きもしてきましたが、十分な反省を行い再発防止に取り組んだので今後もお任せくださいと・・・説得力がある原因をとらえた上での対策説明を、その為にもなぜなぜ分析は有効な手段と考えています。
参考
関係がある当ブログの記事です。
→3H(はじめて、変更、久しぶり) ダジャレ?いえいえミス・ケガの注意ポイント 結構深い→
←OODA(ウーダ)ループとPDCA・CAPDo比較
4M:Man Machine Material Method 何かを生み出す際に準備すべきもの
PDCAを回す?Aって何?本当に回したいあなたに送る
QD/C入門の入口 QCDとQDC。Deliverlyって何?
RCCA 根本原因是正対策・RCA 根本原因解析 暫定対策・即時措置と真因・恒久対策・根本是正
参考リンク
なぜなぜ分析 – Wikipedia
風が吹けば桶屋が儲かる – Wikipedia

