日航123便墜落事件 四十年の真実 青山透子 著 読書感想

四十年目の真実 青山透子著 読書感想

おススメ度★★★★★ JAL123便(JA8119)に興味のある方
おススメ度★★★☆☆ JAL123便に興味が涌いた方

 犠牲者・関係者・皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
 あれから、もう40年。1985年8月に起きたJAL123便の墜落事故に関する著作です。事故の風化とも戦われている著者 青山透子さんの著作です。青山さんは、いろいろバッシングを受けているようですが、頑張って活躍して欲しいです。
 本書は、日航(JAL)123便の事故原因究明・疑惑本です。著者の青山透子さんは、元日航の客室乗務員で、事故で仲間をなくし、事故原因を改めて調べてゆくうちに数々の疑問に遭遇し、事故調査委員会が調査した圧力隔壁損傷による事故原因に異を唱え、独自の事故原因を推定しています。
 青山透子さんの著作は、JAL123便関連の書籍の中ではたいへん読みやすい。のですが、本作はこれまでの調査内容を振り返りつつ新事実を追記する形で、いままでの膨大な調査内容が簡潔にまとめられ、おそらく青山さんの本を初めての方には非常に読みづらいと思われますので、おススメ度を落としました。青山本が初めての方が本書を読み進める際は、最後の「推定推論」に目を通してから最初に戻って読み進められると、なんでこんな疑問を抱くのかがわかるかと思います。青山さんの本を読み込まれてきた方には、振り返りに最適かと思います。

目次


はじめに なぜ40年間も遺族が苦しまねばいけないのか
第一章 原点に立ち戻れ
・疑惑はここから始まった
・相模湾に機体残骸を放置し続けている理由
・中曽根康弘氏が「防衛庁と米軍」と言う言葉を遺した理由
・今も隠蔽体質のJAL
・裁判でわかったこと わからなかったこと
・検証1 なぜ異常発生後に30分も飛行した結果、上野村に墜落したのか
・検証2 なぜ生存者は4名しかいないのか
・検証3 なぜこの日この時でなければならなかったのか
・時代の背景から見えてくるもの
・現場に近づくな!
・放射脳が漏れている?
・ナゾの報道と機長のナゾの対応
・日航整備士たちのナゾの仕分け
・第4エンジン木っ端みじんの言い訳
・炭化遺体が生じた理由

第二章 空白の三分十二秒 炭化遺体は真実を語る
・検証4 墜落現場不明の報道
     朝日新聞のヘリコプター「ちよどり」は何を見たのか
・検証5 医師と燃焼の専門家が語る真実
     軍用ゲル燃料が使われた痕跡と明らかな証拠
・検証6 緊急位置送信機はどうなったのか
・検証7 修理ミス部分はフェイクなのか
・検証8 なぜ相模湾から機体を引き上げようとしないのか
・検証9 異常外力着力点が「外力」である明確な理由はなにか
・検証10 垂直尾翼に衝突した物体は何か
・リムパック86
・フレアを見た

第三章 事件は終わらない
・検証11 なぜ不起訴となり、いまでも墜落原因が推定のままなのか?
・心ある元自衛官たちの調査研究
・未来に負のバトンを渡すべからず
・推定結論

おわりに
注釈

資料 前橋地方検察庁説明資料

感想・気になる点

 青山さんは、自衛隊の無人標的機がJAL123便に衝突して事故が起きた。そして、それを隠蔽するために、当時の自衛隊・日本政府が数々の隠蔽工作をしているとの推論をされています。

 ただ、仮に無人標的機が垂直尾翼の異常外力着力点(垂直尾翼の真ん中の後方)に激突して、垂直尾翼の半分が吹き飛んだとしたら、油圧が完全に失われて操縦不能に陥るのでしょうか?
 ちょっと、当記事を書くにあたって文献を少し(・・・すみません・・・)調査しましたが、ラダーなどを動かす油圧のアクチェータがどこにあるのかわかりませんでした。なので、確かなことは言えませんが、仮にラダーのアクチェータが胴体にあり無事なら、油圧は失われないだろうとの素人考えです。仮にラダー・アクチェーターが失われても、油圧が全部だめになることはないのでは?・・・まあ、APUのところとかに何度も当たって胴体尾部に損傷を与え、最後に垂直尾翼で大きく当たった・・・って、考えもないことはないですが・・・データ・レコーダーの偽造が前提ですが・・・

 墜落位置の特定に関しては、青山さんの記述が方々から批判されています。上空から墜落位置は早い段階で特定されたし、本書にも記載の通り真夜中にTV中継もされた。だから、特定はできている。ただ、墜落位置が山深い県境近くで、何県か(住所の選定)が失敗だった・・・・と思う。
 ヘリから地上の救助隊の誘導も数々失敗した様だ。昔は、今のように自治体・警察・消防・自衛隊の合同訓練も行われていないし、連絡が通じない時代だった(自衛隊に至っては、無線や固定電話さえ足りていなかった時代で、この後の時代に携帯電話が普及したら、隊員同士は携帯電話で連絡を取り合っていたと言われていた・・・ので、NTTがやられたら自衛隊は壊滅するとまで言われていた)。警察でさえ連携が危うく、交通違反の様な犯罪で追いかけられていても、隣の県に逃げ込めば管轄違いで追ってこない(連携が取れないので・・・)と噂された時代だ。だから、現場の混乱は演出されたものではないと思う。ただ、現場上空にはヘリがいたので、現場がどのくらいの天候だったか明らかではないが、統合本部があれば、ヘリを1機にして現場の真上で旋回させれば地上救出隊から見えたのではないかと思うと残念でならない。

ボイスレコーダーの再調査機関への開示を!

 青山さんは、ボイスレコーダーの生の声の開示を求められています。
 上記のラダーアクチェーターの位置を調べていたら、加藤寛一郎先生の「壊れた尾翼 日航ジャンボ機墜落の真実」のp304にCVR(ボイスレコーダー)に1周期12秒のダッチロール(機体が上下左右に独特の揺れを繰り返す)に伴う風切り音が、悪魔の口笛のように聞こえて、聞いた方から「あの音を聞いて乗員が正気でいるのは難しいと思うよ」と言われた・・・との記述があります。書き起こしではこの辺がわかりませんし、(この情報が信用できればですが)この音が判別できる音声が本物ということになると思います。

本書に関わる/関わらない新聞報道などのリンク先

 本年(2025年)は、JAL123便に関する新聞記事が例年より多いようです。本書にかかわりのあるもの/ないものを集めてみました。

産経新聞関係(有料のものもあります)

 御巣鷹事故「自衛隊が撃墜」、偽情報を自民佐藤正久氏が問題視 中谷元防衛相「対応する」 – 産経ニュース(4/10)
   <正論>「御巣鷹」に見る情報戦への脆弱さ  麗澤大学特別教授 元空将・織田邦男 – 産経ニュース(4/1) ・・・ 上記にリンクされており、無料会員にならないと読めませんが、麗澤大学の特別教授(専門分野:安全保障)・国家戦略研究所所長の織田邦男さんが、「自衛隊撃墜説」が全くのデマと言い切られております・・・・。が、大変興味深いのは、情報戦に敗北しない為に「政府主導の「正しい情報発信」に頼るのではなく~」とご教示頂いています。揚げ足はいけませんが、いったい真実はどこに・・・
 御巣鷹の日航機墜落事故 「自衛隊が撃墜説」に国交相「正確な情報発信する」 – 産経ニュース(4/11)
 日航機墜落事故40年、拡散される陰謀説 「自衛隊の関与は断じてない」政府が強く否定 – 産経ニュース(5/1) 
 日航・鳥取三津子社長「事実はひとつ」 御巣鷹事故陰謀説を改めて否定、積極的発信はせず – 産経ニュース(5/2)
 日航機事故 「御巣鷹の尾根」への登山道に「自衛隊撃墜説」を伝える慰霊碑は本当にあった 記者の「暴論」 矢野将史 – 産経ニュース(5/4)
 日航機墜落事故から40年 坂本九さんの妻が抱き続ける思い「本当に忘れられたくない」 – 産経ニュース(8/2)
 <独自>日航機墜落事故40年 米ボーイング、修理ミスの理由説明「設置困難で部品切断」 – 産経ニュース
 日航機墜落事故・自衛隊関与説の著者「科学的証拠で論証している」 – 産経ニュース(8/9)

朝日新聞

連載「日航ジャンボ墜落事故 御巣鷹40年」一覧:朝日新聞
 520人が犠牲になった修理ミス 墜落機内で残した言葉と事故原因:朝日新聞
 日航123便に搭乗予定だった東ちづるさん 初めて語った事故と風化:朝日新聞
 日航機墜落の現場「地獄ですよ」 元自衛官が語った40年前の救出劇:朝日新聞
 星になった坂本九さん、夜空を見上げる妻と娘 日航機墜落事故40年 [群馬県]:朝日新聞
 日航機墜落、「自衛隊ミサイル誤射説」をファクトチェック→「誤り」:朝日新聞
   ・・・このファクトチェック?どうかなぁ。
 「ハリウッド映画とは違う」・・・この書き方だと実際に機体に穴が開いた事故で吸い出された人が浮かばれない・・・ですよね。
 それでいて、「・・・サウスウェスト航空の事故では、客室の天井に穴が開き、急減圧が生じたが、・・・」と、急減圧を自分自身で引用しているのに気にならないのだろうか?たぶん、新聞記事のチェッカー(確認者)も「急減圧」が生じてその高度で飛び続けることが、何を意味しているか分かってないと思われます。事故調の方がいろいろな説に寛容で自説が完璧じゃないこと(コクピット内の酸素マスクについての言及など)を認識しているので好感が持てます。

 「・・・大須賀英郎さん(70)は「当時は『自衛隊撃墜説』が広く出回っていたわけではなかったが、数ある項目の一つとしてミサイルについても適切に記述した」と話す。・・・」
                vs
 「・・・報告書に自衛隊の関与に関する記載はなく、・・・・」(注:嘘は言ってないけど・・・報告書には自衛隊は登場しますが事故原因とは言ってない・・・解説では自衛隊の標的機関与も言及されている・・・が?)

そもそも、現時点での「自衛隊ミサイル誤射説」(墜落直後のものを除いて)、事故報告書等を独自のファクトチェックの結果「誤り」として検討が開始され、その結果で誤射説を提示している。それなのに、それを独自の検証せずに(誤りと主張されている)事故報告書等を引用して「自衛隊ミサイル誤射説」を誤りとしている。これでは水掛け論だし、子供の言い合いである。
 報告書の権威の格を基準にするなら、上記で紹介した<正論>「御巣鷹」に見る情報戦への脆弱さを参照して欲しいです。
 せめて、(もし、誤射説をフェイクとするなら)報告書・誤射説の両方にない大学の先生・専門家などのご意見を追記・精査して、例えば・・・客室・操縦席の気圧は、報告書に記載の容量の大きさだけではなく、エンジンからの与圧で継続的にほどんど減圧せずに飛び続けた・・・などを追記して欲しいです。<せめて>ですよ。

 記事ではなく事故調解説の方ですが、客室頭上の10m/s(36km/h)以上の気流をオートバイで例えて気にならない/気付かないと評価していますが、時速36kmを自転車で漕げば/自転車で脇をすり抜けられた経験をお持ちなら、どんな気流か実感できると思います。ファクトチェックする方は気にならなかったのでしょうか・・・。

 WEB 2.0になっておらず、記事に読者からフィードバックがかからないのも悩みだけど、記事を出す前に、上記の様な素人のツッコミを許す新聞社の現チェック体質(論理性の欠如)も大きな問題だと思う。新聞社は大丈夫かな?青山さんガンバレ!
  こちらは紙面の記事の様です→(ファクトチェック)40年前の日航機墜落、海自艦のミサイル撃墜が原因?:朝日新聞

(この先は有料記事なので拝見しておりません・・・すみません。ウチは他の新聞を取っているので・・・)
 重要な証拠、調査官はゴミ袋に入れた 手記から浮かぶ日航機墜落事故:朝日新聞
 土下座する日航社員、通り過ぎる遺族 両者をつないだ御巣鷹の守り人:朝日新聞
 新聞広告に書き殴った「遺族をわすれるな」 日航と作った空の安全:朝日新聞
 日航が送った「遺品を焼却」の通知、遺族の反発から生まれた研修の場:朝日新聞
 現場の惨状に立ち尽くす若手記者 「シャッターを押せ」肩をたたいた:朝日新聞

読売新聞

 日本航空機墜落事故 1985年8月12日、羽田発大阪行きJAL123便が、群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落、520人が死亡した。 : 読売新聞 ・・・ <航跡と証言> にて、目撃情報も提示(併記)されています。 

テレビ東京

 日航機墜落事故から40年 乗客が知らないJAL航空機整備の最前線:ガイアの夜明け | テレ東・BSテレ東の読んで見て感じるメディア テレ東プラス

JBpress

【日航機墜落事故】4人の生存者の救出劇、そしてその後の人生(1/5) | JBpress (ジェイビープレス)

日テレ

 日航機墜落事故40年『幸せな人生だったと感謝』―最後の言葉を手帳に残した父が「後ろから“糸を引いてくれたような”人生」 いま、遺族の「願い」は・・・(2025年8月11日掲載)|日テレNEWS NNN



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↓↓↓佐藤議員が25/4/10の質問の際に提示した本↓↓↓

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 日本航空123便墜落事故 – Wikipedia
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   事故調査報告書へのリンク、およびその解説が貼付けされているページです。

 木村良一 – 徳間書店

 青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相
 青山透子 – Wikipedia

 赤城工業株式会社|アクチャル 03
 赤城工業株式会社|アクチャル 04
  救難ヘリの救助員の出動記録(回想)です。
 


 


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 青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相
 青山透子 – Wikipedia

 佐藤まさひさ – Official Site
  フェイク情報から自衛隊の名誉を守る! | 佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」Powered by Ameba
 佐藤正久 – Wikipedia

 赤城工業株式会社|アクチャル 03
 赤城工業株式会社|アクチャル 04
  救難ヘリの救助員の出動記録(回想)です。
 
 織田邦男 – Wikipedia
  麗澤大学オフィシャルWebサイト
   織田 邦男 | 麗澤大学
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