お亡くなりになられた被害者、関係者のご冥福をお祈り申し上げます。
本書の正式なタイトルは「永遠に許されざる者 日航123便ミサイル撃墜事件及び乗客殺戮隠蔽事件の全貌解明報告」です。著者の肩書は、初版第三刷の表紙によると、8.12連絡会墜落事故調査分科会会長 遺族 小田周二さんです。
おススメ度★★☆☆☆(一般の方|読書好きの方)
おススメ度★★★☆☆(JAL123便事故事件に興味のある方)
おススメ度★★★★★(JAL123便の真相に迫りたい方)
2021年7月に初版第一刷が発刊されています。
凄いボリュームですので、これから読みたい方は心してください。
ただ、真摯に事実を積み重ねて推論をして行く本書を読み終えて、小生は何が出来るのだろうと自問してしまいます。再調査を公約する国会議員へ一票投じるくらいしか思い浮かびませんが・・・。
日航123便墜落事故と事故調査の問題点
本の内容説明に入る前に、本書で取り扱っている日航123便墜落事故について触れておきます。
日航123便墜落事故は、1985年8月12日に起きた524名がなくなった飛行機の墜落事故です。
運輸省(現国交省)の事故調査委員会が調査して、調査報告書がまとめられています。そこでは、JA8119号機(墜落した機体)は尻餅事故の際の不適切な修理により次第に亀裂が入り1985年8月12日の羽田から大阪へ飛んでいる最中に客室後部の壁が破裂して、上空の空気の薄いところで圧縮されている客室の圧縮空気が一気に後方に噴出し、垂直尾翼などを破壊して操縦不能になり、迷走の上で群馬県御巣鷹の尾根に衝突、墜落したと調査報告されています。死者520名、生存者はわずか4名。現在でも、単独機では史上最悪の事故とされています。
しかし、当時から調査報告書の内容には疑問の声が挙がっており、例えば、生存者の証言と明らかに異なっている<(空気が吸い出された(減圧された)のに、乗客は耳が痛くならず、コクピットの乗員は酸素マスクをつけていない)>など、矛盾が指摘されていました。
内容
ものすごい内容です。
本書の内容と結論
本書は、事故調査内容に疑問を持った遺族である著者が、墜落原因を目撃情報や専門家との議論、裁判などを通して、独自に調べ上げ、結論を導き出しています。
その結論とは、JAL123便は、相模湾上で自衛隊の標的機に衝突され、一時操縦不能になる。標的機の一部(赤またはオレンジ色の吹流し(鯉のぼりの様なもの))が飛行機に巻き付いていた。その後、飛行機はパイロットの奇跡的な操縦によりコントロール可能になり飛行場への着陸決めた。しかし、事故の発覚を隠蔽したい政府・自衛隊は、着陸を妨害する。なおも、群馬県内の広大な畑への不時着を試みるパイロット。しかし、人がいたために不時着のやり直しをするJAL123便は、群馬県の山中で地面に激突させバラバラにするために自衛隊戦闘機のミサイルで撃墜される。しかし、パイロットは墜落中にエンジンパワーをかけて機種を持ち上げ、水平飛行に近い状態で着地し、衝撃で飛行機は半分に折れ、前方は激突して火災を起こすが、後方は山を滑り降りて行った。
バラバラにならなかった事を確認した自衛隊は、駆け付けた米軍の救援部隊に自分たちが引き継ぐからと引揚げさせ、その後、墜落個所を長野県と偽りつつ、群馬県警に墜落現場付近を封鎖させ、捜索は翌朝4時からと決定させる。夜間の間に、自衛隊は特殊部隊を派遣し、生存者を抹殺する。火災が起きた前方部は火炎放射器で乗客を焼き殺し、後方部は毒ガスで生存者を抹殺する。並行して、夜間から翌朝にかけて、標的機・ミサイルなどの残骸を回収すると共に、事故現場に飛行機に詳しい日航の整備士を派遣させ、飛行機とそれ以外の破片に選別させる。
次に、事故調査委員会に圧力をかけ、生存者の証言や目撃証言を無視する形で、事故機の尻もち事故を起こした際のボーイング社の修理ミスによる事故と結論させる。更に、事故原因判明前から日航に加害者との立場を取らせ、被害者や遺族と補償交渉を行わせる。しかし、事故調査委員会の報告書を基にして遺族が起訴したが、検察は生存者証言などから隔壁破壊なんてないと調査報告書の内容を否定して不起訴扱い。本来なら、不起訴を基に事故調査委員会は結論が否定されたので、再調査をスタートさせねばならないが、機能しない・・・・。そして、日航は補償金として遺族に説明したものをお見舞金と言い換え(遺族をだます)、御巣鷹の尾根に建立した慰霊碑には、犠牲者ではなく遭難者と刻まれている。
こんなことが出来るのは、時の首相以外にいる訳がない。
それぞれの推論理由
標的機
・目撃情報によれば、藤枝市の方が、飛行機の窓が見えるくらいの低空でJAL123便を目撃し、飛行機の左側のおなかの部分に4~5mくらいの円筒形の赤からオレンジ色の物体が張り付いていたと証言(p43)
・上野村の小学校と中学校の文集に記された目撃証言に真っ赤な飛行機と書かれている(p43)
・現場の報道関係者の証言|ヘリから現場に降り立ったら尾翼付近に一直線のオレンジ色の塗装がついていた(p44)
・航空自衛隊の百里基地司令は友人に「~標的機を民間機に当ててしまった~」っと電話している。(p39)
・乗客の一人が機内から外を写した写真に機外右前方の空に点影を撮影している(p39)
・日航整備士による破片の分別回収
・自衛隊は標的機1機の撃墜による予算計上(p44)
操縦回復(操縦不能ではない)
・事故報告書による隔壁破壊から御巣鷹の尾根に墜落するまで32分間も飛行している。(p50他)
・大月上空でスパイラルターン(高度を落としながらくるりと1回転)できている
・UA232便がほぼ同じ油圧喪失であったが、JAL123の教訓であるエンジン制御による飛行法で生還
迷走中のジェット機の追尾
目撃情報(p42,43)
航空自衛隊の百里基地の司令の友人への電話(偵察機を出した)(p39)
横田基地への着陸
・アントヌッチ証言(p75) JAL123から横田へ、着陸要請と横田基地から着陸許可
・乗客の機内で書いた遺書の記述(18:45 機体は水平 18:46 着陸が心配だ)
横田基地への着陸を妨害
・アントヌッチ証言(p75) 着陸許可が出ていたのに着陸できなかった事。
・ボイスレコーダの不自然な会話(p76)
18:46:16「このままでおねがいします」
18:46:33「これはダメかもしれんよね」
長野県川上村への不時着試行
(事故報告書には記載されていない・・・隠蔽)
・川上村での低空飛行目撃証言(p59)
・TBSテレビで放映された事故調査委員会の極秘資料(p331)
ミサイルで撃墜
・目撃証言 流れ星の様なものが飛んで行った(p88)
・第4エンジンだけ別の場所に落ちている(p91,93等)
・コクピットの絶叫(p87)
・生還者の証言(p87-p88) 凄い横揺れがした
・大きな横揺れ・急な落下(p28,91)
・日航整備士の破片分別回収
・日航副社長が乗客家族の前で発言した「~北朝鮮のミサイルで撃ち落とされた~」の発言(p89)
夜間に特殊部隊
墜落場所の隠蔽
・墜落場所の特定ミス、誤報(p113)
・群馬県警の現場付近閉鎖(p109)
・棺桶の送付先・・・8/12時点で報道はまだ長野県なのに群馬県藤岡市の体育館を指定(p193)
特殊部隊の展開と痕跡
・事故当日の夜間のヘリコプターが多数目撃された
・M氏による目撃(p110)
・早朝に墜落現地入りしたが、すでに展開されていた部隊と会話
・その部隊は、生存者を救助しないで、破片を袋詰めしてヘリで搬送
・生存者のうめき声が消えた
・立命館大学 深井教授の目撃証言(p112)
・8/13 10:00頃(救助隊到着前) 自衛隊のヘリが何かを釣り上げている
・遺体の損傷(黒焦げ具合)(p117)
・現場は灯油系航空燃料ではなく、ガソリンとタールのにおい(p117)
・M氏は後日、VXガスの容器を拾う(p110)
事故報告書の真否(でっち上げ)
・裁判で否定される
・生存者証言、目撃者証言と異なる
・落合さんの証言(p32)
・残骸の破壊跡から外側からの破壊跡(p30)
・操縦できた
・検察に報告書の内容を否定されても再調査しない
・APU等の相模湾落下物捜索の早々とした打ち切り(p29他)
・事故調査報告書の発表の場での委員会 武田委員長の締めの言葉「この報告書を元に様々な討議検討を加えて~再発防止に役立てて~」(p178)
・遺族向け解説会での誘導説明(p36)
真実隠蔽の間接的な事実
・1966年羽田沖墜落事故で、事故原因の解明に取り組んでいた山中教授が、「先に結論が決められている」と怒りの記者会見(p134,171)→昔から隠ぺい体質。
・日航の補償交渉は事故原因判明の前から始められており、おかしいのに関係機関が制止していない(p148)。
・遺族からの質問に武田委員長が「垂直尾翼を引き上げると事故原因は変わってくる」と回答(p178)
・事故調査委員会の資料廃棄(p184)
・警察側が未確認遺体を荼毘にしようとしたため、日航高木社長に総理に直談判を持ち掛けたら、「そんなことをしたら私は殺される」とぶるぶる震えながら発言(p191)
・墜落後、同型の飛行機を飛行停止にしなかった航空局(p193)・・・普通、原因解明まで飛行停止にするのが一般的。機体に不良がなかったのを知っていたから?
感想
ボリューム
なにせ、すごいボリュームだ。ほぼA4判の大きさで字は小さく、414ページある。ただ、意外と読みやすいのは、PREP法(結論を先に言う)を意識した書き方だからだろうか?だが、それにしても、ボリュームがあるのと、視点を変えて何度も検証をしていて、そのたびに同じ前提(同じ内容)を繰り返し提示されるので、間違えてすでに読んだページを開いてしまったような錯覚を覚える。前提などをまとめて整理すれば、おそらく半分くらいのボリュームに整理できるのではないかと思う。そうすると読みやすいのだが・・・。
他の解明本とは一線異なる
本書は、事故(事件)のご遺族である著者が、真の事故原因の解明を求めての奮戦の記録です。技術的な側面もフォローしてあり、他の解明本とは一線異なり、好感が持てます。
日航をはじめとして、航空局、検察などの豹変に対する怒りは共感できる。確かに日航は、お客様の窓口ではあるが、補償先かどうかは別次元の問題である・・・本書で指摘する通り見舞金や加害者かは、ちょっとおかしい。この辺は松尾ファイルなどの記載ではボーイングを訴えるべきとの社内意見もあったようだが・・・。
改めて事故調査報告書を読み返すと・・・
確かに、FDRのエンジン出力の記録は、No.1やNo.2が他のエンジンと違うことがあるようにも読める・・・。報告書(p301~302|pdf 10番 別添2~別添5(一部)のp19~24)で、18:37頃から軌跡が若干違う。明らかに違うのは報告書の通り18:54頃から20秒程度。
あと、18:47:45付近でラダーペダルを右に動かして(たぶん踏んで)、18:50頃まで操作してます。18:47後半では、コクピット内でライトターンと呼称しているので、操作の一環か、ホイールを操舵しているので足の踏ん張りの影響か?はたまた別の事象か?
本書によると、横田基地を目の前に、やむなく左旋回した後なので、戻ろうとしたのでしょうか?
ちょっと、本書の内容(コントロールできた)と異なる見解で恐縮ですが・・・。
FDRのレポートもCVRの発言も、偽装かもしれないので、注意深く読み進める必要がありますが・・・。
小生の疑問
ど素人の小生の疑問など、時に揚げ足取りだけかもしれませんが・・・
本記事をお読み頂いている読者にご注意ですが、悲しいことにJAL123便に関する情報は、すでにライアーゲーム(入り乱れた嘘つき合戦)の様相になっており、意図した嘘/意図しないものも含め、全部疑ってかかる必要がある(嘆かわしい)。
本書でも、あまり明示されていませんが、どの資料やデータをどこまで信じるか明示が必要です。明示されていないと、推論がぐちゃぐちゃになります。例えば現在公開されているCVR(ボイスレコーダー)についての取扱いは、一部の内容が消されているだけなのか、あるいは書き換えられているか・・・我々が聞いている内容は正式なものでなく誰かがリークしたものです(調査委員会の書き起こしが頼りだが、中間報告と最終報告で若干違っていることはよく知られており、疑い出せばキリがないですが、書き起こしも都合よく書き換えられている可能性もあります)、十分な注意が必要です。
今後読まれる方へ・・・本書では戦闘機の記載が、いわゆる戦闘機(ファイター)との意味でも戦闘関連機体(軍用機)の意味でも使われているようです。海上自衛隊の戦闘機のように記載されています(今のところ、海上自衛隊は戦闘機(F-35など)を保有していません。
個人の個々の疑問
順不同列挙で申し訳ありません。本書に関する小生の疑問です。
・毒ガスの使用と検死
さすがに、毒ガスを使用したら検死で引っかかると思われる。
・M氏はなぜ生き残れた?
いち早く墜落翌日の未明に墜落現場に駆け付けたM氏は殺害現場で特殊部隊の殺戮に立ち会う形になるが、特殊部隊は目撃者の隠滅しているのでM氏も対象になると思われるが生還している。殺害命令の対象者は乗客で、M氏は乗客じゃないからでしょうか・・・命令に忠実な公務員の本領?
・ミサイルの近接信管と炸薬量の調整・・・困難か?
第4エンジンをロックオンの様ですが・・・熱追尾?
ミサイルによる撃墜が目的でなく、第4エンジンのみを狙ってバランスを崩させ墜落させるとなると、ミサイルの炸薬量の調整と信管の調整が必要ですが、事故が起こってからの短時間ではミサイルと準備する方は調整が無理かと・・・この辺は、青山氏の推論では用意周到に事前準備されていたとの記載ですが・・・。尾翼付け根と第4エンジン等に激突等も考えられますが。
・標的機をぶつける大変さ
どの様な標的機を想定されているか不明ですが、ミサイルと違い航空機を追尾させるものではないので、この空域を飛んでいた理由が不明です。しかも、当時だと画像伝送も困難だと思いますので、当てるという操縦は大変難しいかと・・・。もちろん、ぶつかってしまった事故や、牽引ロープがひっかかり引っ張っていた方が引きずられて激突なども考えられますが・・・。
・全油圧喪失後の操縦
古い機体なので、手動で操縦が出来るかもしれません。車で例えると、パワステが切れてオモステで運転・・・クルマでエンジン(電気も)切れると重いです。小生の調査では手動で操縦できるかの資料が見つからず、操縦できるかわかっていません(すみません)。
本書では、油圧喪失後は、短時間のうちにエンジン制御による操縦方法を確立させたとの推論です。他書では、墜落寸前にFDRにエンジンの出力の違いがみられるとの解説がありましたが・・・、改めて見ると途中からFDRの記録も左右違って見えますね・・・。
・垂直尾翼は見えたか?
本書では、藤枝市の方が、垂直尾翼のギザギザだったと目撃され、紹介されています。
垂直尾翼って特徴的なので、飛んる飛行機になければ記憶に残ると思いますが、小生が読んだ中では上記の方が言及しているだけで、後の方はエンジンが4発とか注視されているのですが尾翼がなかったとは証言されていません。本当に垂直尾翼がなかったのか疑問に思っていました。事故調査委員会も、墜落現場に垂直尾翼の破片がなかったことや奥多摩で撮影された写真(限界まで引き伸ばし)を根拠とされていましたが・・・・。
本書では、機内から見て機体後方に穴が開いていた証言が・・・
他書では、生還者のお二人が機内から見て機体後方に穴が開いていたとの証言が紹介されていますが、本書では採用されていません。
レーダーの記録・証言
レーダーの記録を請求しているような記述がありますので、ぜひ成功して欲しいです。
F-4などが近づき並走すればレーダーに映ってるでしょうから、レーダーマン・管制官の証言もあってもよさそうです。
FDRもCVRも信じられるか?中身(テープ)はどこにある?
書いた通りです。テープは別物なので本体とは別の場所に保管されている可能性もありますし、すでにFDRやCVRも改ざんされている可能性が・・・
本記事のおわりに
本書の魅力をお伝えしたいのですが、小生の力不足で、お伝えできておりません。今度、もう少しでも魅力がお伝え出来る様に手直ししたいと考えております。
小田氏は、今年、新しい本を発刊されておりますので、そちらもご紹介できればと考えております(新書を読む前に、本書を何とか一通り目を通すことが出来ました)。
↓著者 小田さんの最新刊です。
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日本航空123便墜落事故 – Wikipedia
関係するリンクも多数あります。
日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説
事故調査報告書へのリンク、およびその解説が貼付けされているページです。
操縦輪やラダーペダルの動きは、報告書297~298頁 DFDR図-2 10.別添2~別添5(一部)
エンジンの操作記録(出力記録)は、報告書の301~302頁で、DFDR図-4 です。
青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相
青山透子 – Wikipedia
佐藤まさひさ – Official Site
フェイク情報から自衛隊の名誉を守る! | 佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」Powered by Ameba
佐藤正久 – Wikipedia
赤城工業株式会社|アクチャル 03
赤城工業株式会社|アクチャル 04
救難ヘリの救助員の出動記録(回想)です。
標的曳航機 – Wikipedia
日航機墜落 事故調査官 100ページの手記に書かれていたこと|NHK事件記者取材note・・・本記事を書いていたら、たまたま見つけました。

