先の記事でも書きましたが、まったく、個人的な話で申し訳ありませんが、体調を崩しお休み中。
週末のBBQで生焼けを食べたか、メダカの水槽引越しの時に緑水を浴びたか、図書館で借りた本にばい菌がついていたか・・・
で、寝込んでいる間に、先の記事日航123便墜落「撃墜説」の真相で検証されていた目撃者の目撃情報の検証で、<目撃者の位置からそんな風に見えるはずがない>というくだりがあり、全然関係ないのですが小生も工場ラインで働いていた時に監査に来た方・検査員から見えるはずがないと言われたことを思い出しました。スピンアウトのお話の第一段です。
(スピンオフは派生した話。スピンアウトは、くるくる回りながらのコースアウト・全然別の話です)
(本記事の画像はAI(Co-pilot)に描いて頂いております)
日本の視力検査はランドルト環

工場の作業者・検査員の標準視力の話の前に、日本の特殊事情だけ、少し触れておきます。外国の方も見る機会があるかもしれないのと、外国の方と話す機会がある方のために書き足しておきます。
日本で一般的な視力検査は、ランドルト環と呼ばれる検査で、大きさと方向が異なるCをどのくらい小さく読めるかで評価します。フランス生まれの様ですが、日本以外では補助的にしか使われていないようです。
一応、1.0のランドルト環はCの外径が角度の5分(5/60°)、Cの隙間(白い部分)と線の幅が1分(1/60°)と決まっています。学校の健康診断では、5m用か3m用を用いて検査します(環は3m用の1.0でだいたい4.35mmで、隙間は0.87mm)。
ちなみに、外国でよく使われているEチャート(Cの代わりにE)は、1.0が6だったり1.0だったり20/20だったりします。スネレン・チャート(大きさの違うアルファベット)は1.0が20/20で分数を割り算すれば互換できるのでわかりやすいです。
標準視力とは?1.0? 0.7?
下記に、いろいろ回りくどく書いてしまったので、結論を先に書いておきますと、工場で標準視力を確かめる際は、図面を書いている人(→検査スタッフへたらいまわしが多い)や発注元へ聞いてください。小生の経験上、1.0か0.7の事が多いです。
0.7は、自動車の運転免許の基準を理由にしていることが多いですが、万が一、外国のお客様に尋ねられた時は14/20とか分数数字を先に言ってからドライバーズライセンスと言ってください。小数点でいうと他の視力体系と勘違い/運転免許は視力が緩い国があるらしく、勘違いされることがあります。何を勘違いしているのかわからないことが多い。
(結論はここまでなので、あとは小生の経験談をダラダラと書いてますので、お時間の許す限りお楽しみください)
標準視力
工場ラインのスタッフをしていて、悩ましい問題・課題に、製品の仕様に「きずのないこと」(わざと傷はひらがな)というものがあります。
極端に書くと怒られるのですが、最終検査員が見て(正確には目視検査して)<きず>が見当たらないとOKです。図面のマニュアルなどを読むと、矯正しない普通視力で見ること・・・などと書かれています(なんにも書いてないことも多いです)。ただ、悩ましいのは、光の当たり方や検査員、そして眼鏡、ひどいと目の手術前後などで、変わってくることです。
ちなみに、小生はド近眼で、人より焦点距離が短いので、かなりルーペなしで見ることができるのですが(若い時は、初老の方に「そんなに目を近づけてよく見えるな」と驚かれました)、探傷脳力はすこぶる悪いです。非破壊検査員の講習を受けている際に先生から「キミは弱視かも」と言われ、見えるはずのものが見えない典型例として講習会で紹介されたほどでした(他の人が見える傷が小生には頑張っても見えない・・・ルーペでみたら見えました)。ちなみに、弱視は検査員としては限定免許の対象になることがあります。
さて、話を元に戻して、ラインのスタッフは、ラインを標準作業者で組み上げます。標準作業者は、ライン作業者の平均で作ることが多いのですが、標準検査員の視力は平均で作る・・・訳にはいかないのです。注意。
非常に回りくどいことになりますが、まずは図面や仕様を確認します。めんどくさいので図面を書いている人に聞きます(請負なんかだと発注元(の大元)に問い合わせです)。大抵、検査部門に聞けと言われて、検査マニュアルなんかを教えられます・・・。書いてないこともあります。特定の(例えば非破壊検査員など)だけ決まっているところもあります。それ以外は健康であること(健康診断にパスすること)なんてのもありました。
世の中の標準視力を調べると、無責任に1.0と書いてあるものがあります。逆に、標準だから1.0にしたのだとの話もチラホラ聞きます。実際ネット検索すると、小学生や中学生の視力の平均値は1.0以上あるとの解説も見受けられますが、小生の実感とは異なります。
標準視力が決まると、それに合わせて検査員の視力を矯正しなければなりません。コンタクトや眼鏡を使って、1.0以上にします。
悩ましいのは、視力が1.0をはるかに超えている人や、検査用メガネと称してルーペのような眼鏡(あるいはXXルーペ)を使用している時です。小生は「目の良い検査員は宝」と称していますが、まさに「見えすぎちゃって困る」なのです。
不具合率と検査員
悩ましいのは、ラインごとの不良率で、検査員が変わると不良率が変わる事象です。
あやふやの時はいいまだ良いのですが、特定の検査員が検査した時だけ不良率が高くなることを突き止めてしまうと、やり玉に挙がったりします。
検査と工作が対立関係にあるラインだと、やり玉に挙がったり。その上、訳のわからない生産コンサルタントの耳に届くと「やめさせちまえ」などと訳の分からない事を仰って困ります。
対応として、簡単ではないのですが、視力1.0の検査員の検査結果を基準にしたりしますが、その話は別の機会に。
目の良い検査員は宝
目の良い検査員は、最終検査などに充てられたりして、検査漏れを防ぐのですが、悩ましいのは、最終検査後の出荷検査だったり、梱包検査(正確には梱包前の製品確認)で<きず>が見つかるケースです。折り紙付き(札付き)の検査員の場合は、視力1.0の検査員に見せさせて検討したりもしますが、一度見つけたものをひっくり返すのは並大抵のことではなく、大抵は発見検査員は恨まれ役です(本当は不具合流出を防いだので褒めなければいけないのですが、寄りによって・・・とか、なんであいつなんだ・・・とか、最初から最後まであいつにやらせろ・・・とか、罵詈雑言を浴びられたりする訳です)。
でも、先方の入荷検査も目もよい方が何か見つけるかもしれません。ので、目の良い検査員は不具合を防ぐ宝なのです(見逃し不具合も、どうしても発生しますので)。
ただ、その見つかった<きず>が、不具合なのかも、実は悩ましいのですが、また別の機会に・・・。
標準化と言わない事(追記)
大事なことを書き忘れました。
(主に)検査員の目の標準化ですが、小生の教えてもらった限りどこも同じでした。
まず、視力が悪い人が、コンタクトや眼鏡で標準視力(以上)に矯正します。
次に、そこの検査場での典型的な<きず>の標準片(ぽい物)を作ります。作れるものに限りますが・・。
標準的な目を持った人をたくさん選び、<きず>の数や長さ・きず幅などの平均と幅を決めます。
個々の検査員に標準片(ぽい物)を検査してもらいます。
下限値に達しなかった人は眼鏡などを作り変えて、再挑戦します。
上限を超える人は、平均値との比率を覚えて頂きます(この比率を日ごろの検査に活かします・・・書き方が難しいのですがやや甘めの採点をします。ただ、本人はすごいジレンマだそうです)。
そして、この標準片(ぽい物)は、標準片同様に年に一回程度確認して、確認の記録を残しておきます。日付とハンコをスタンプしたりします・・・場合によっては年1回の検査員の確認と兼ねても良いです。
そして、監査員には見つからないようにします。
文書化が求められている場合も、係内通達とか班規とかおよそ監査で見られないものにすべきで、参考扱いとします。
小生の経験ですが、ある監査員と仲良くなって、いろいろ話していたら標準視力の話題になって、実際どうやっているかも話したことがあります。その時に標準片(ぽい物)と検査員確認と兼ねてもいいと言われたのです。ですが・・・・、次に来た監査員に同じように説明したら、目のいい人が多少加減するというところで引っかかって問題にすると言い出しました(見えたものはどんなものでも記録しなければならないとのご主張。その晩に知り合いに相談したらしく、指摘になりませんでしたが、最終日ならアウトでした。しかも、公式ではありませんが、その監査員から眼鏡等で矯正すべきだと言い残して行きました・・・見えてはいけない)。
また、別の機会に話題にしたいと思いますが、見え過ぎて困るのは、単純な視力だけではないので、悩ましいです。
発見能力をレーティングなどをしている会社もあるようですが、一般には(目が良い方は)参考程度として運用するのが無難です。小生は、目が悪いからわかりますが、目の良い方には信じられないそうです。
本件は、昔話、ご参考程度に・・・・。
関連リンク
関係する当ブログの記事です。
→見えないものが見える2!人間の視力の限界は?工場での対応は?
見えないものが見える3!発見能力・・・視力以外の眼力・・・工場で
←ガント・チャート わかりやすいスケジュール表
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関係リンク
視力 – Wikipedia
Landolt C – Wikipedia(英文です)
Eチャート – ウィキペディア(英文です)
スネレン視標 – Wikipedia
日本人の視力の平均はいくつ?大人や子供など、年齢別の視力について解説 – グラスファクトリー【EYE WEAR LAB】
2026/5/20 標準化と言わない事を追記

