前回は、工場勤めで、結構最初のほうで躓く工場の四捨五入として、JIS丸めをご紹介致しました。
今回は、図面の桁数の読み方・・・っと、関連を調べていたら、ドンピシャの知恵袋の質問が・・・
図面の公差で、例えば、「10±0.1」とあるとき、「有効数字の丸め… – Yahoo!知恵袋
質問は、図面に10±0.1と指示されている時の上限は、(a)10.10000・・・なのか、数字の丸めも含めて(b)10.14999・・・なのか?です。皆さんはどちらだと思われますか?
この回答で、答えは出ているようなものですが、質問の背景に少しだけ迫りたいと思います。
結論を先書きすると、見ている図面の図面規定に何か書かれているか調べて、なかったら図面を書いた人に質問してください。
小生の経験だと、図面規定(および関連規則や仕様)に書いてあることはありませんでした。図面を書いている人に聞くと、9割が(a)、1割未満が(b)でした。
そして、(b)と答えた、ほぼすべての人が、(a)のつもりで書いているが、(b)で読まれることがあることを知っているので、クリティカルな場合はノートをつけたりしている)とのこと。
数字が単独で書いてある場合
図面やスペックなどで、数字が単独で書いている場合は、数字の丸めを意識しています。
(丸め以外にも、図面の標準公差などが、図面の注記や図面規定に書かれていたりするので注意してください。そちらが優先です)
10. → 9.5 ≦x≦10.5 (JIS丸め採用の場合)
10.0 → 9.95 ≦x≦10.05
10.00 → 9.995 ≦x≦10.005

だいたい、図面を書いている人も、単独で寸法指示している時などは、このように読まれることを意識して桁数を書いているようです。
えーっと、蛇足ですが、小学校の時に、小数点以下がゼロの時に消して書くように指導されている方々(大多数だと思います・・・消さないとテストで×になりますので・・・)は、小数点のあとにゼロが続くことに違和感があると思いますが、上記のような意味合いでワザと残しています。工場勤めの最初のころは間違って小数点以下のゼロを消してしまうことも多いかと思いますが、気を付けましょう。作り易くてよかったよ・・・なんて、嫌味を言われたりします。
ただ、何故か0(ゼロ)だけは慣習的に例外のところもあるようですので、気を付けましょう。ただ0が一桁で書いてあると0.00000・・・・(永遠に続く)の意味の事があります。
例:10.0 +0/-0.1 ・・・ なぜかゼロは桁を表さないが、絶対10.0を飛び越さない決意表明
公差 10.0±0.1 の取扱い

さて、本題です。10.0±0.1ですが・・・
(1) 9.9 <x<10.1 ・・・ ごく少数
(2) 9.9 ≦x≦10.1 ・・・ ほぼ全員
(3) 9.85<x<10.15 ・・・ ごくごく少数
共通しているのは、10.0ドンピシャで作るように努力することです。
ですから、(一般的に)例えば9.9~10.1 と 10.0±0.1 は、指示としては意味が違います。
10.0±0.1は、10.0中心に製品が集まるように作ること
9.9~10.1は、範囲内ならどこでもOKとの意思表示
と、捉えます・・・ただし、捉える前に図面規定等の記載を必ずご確認頂き、記載があれば従ってください。
小生の経験では、制作側のライン指導では上記(1)で、検査指導では(2)で教わってる気がします。たまたま、10.105くらいの製品の取り扱いで、限定使用などの救済を受けられないか設計の方に相談したところ、来られた方が(3)で合格で、単独での数字の読み方を指導されました(知ってましたが・・・)。目から鱗ですが、同じような話で、違う設計者に相談したところでは、(2)で、(3)などありえないと半ば馬鹿にされました。
いろいろな設計部門の方と雑談ネタにしていたのですが、大半は(2)です。そして、かなりの方が、(後日、別記事にしたいと思っている)計測器の丸め誤差は意識しているが、そんな読み方は意識したことがない!詐欺だ・・・等々おっしゃっていました。
検査部門などでは、受領した部品の合否や、納品後のクレームで、(2)か(3)かで苦しい思いをすることがあるかと思います。設計部門がちゃんと書いてくれれば・・・などと思いますが・・・
よそ様のうまい手
何の量り売りをしていたお店かすっかり忘ましたが、ノギス(キャリパー)で品物を測っているところがあったので、この話題をしましたが、奥からごそごそと取り出して見せてくれたのが、メーカー?からの教育資料でした。書いてあったのは上記(2) 10.0±0.1 → 0.9≦x≦1.1 でした。
取引先などに、自分のところにも無い様な規定を守らせるのはどうかと思っていましたが、常識として教育して、納品させている・・・実にうまい手だと感心してメモメモでした。
本記事は、内容が伝わりやすい様に一部を脚色しています(最後に、私はウソつきです・・・みたいな書き方ですみません)。
最後までしつこいですが、必ず図面規定など仕様を調べて、該当記述がなければ設計部門に尋ねて、どれを採用するか決めてください。JIS Z8401の丸め規定は頼りになりますが、図面からつながりがないと一般論としてレベルダウンです。
関連リンク
関係する当ブログの記事です。
→JIS丸めと図面有効数字・計測値丸め・・・その3 測定値の四捨五入
←JIS丸めと図面有効数字・計測値丸め・・・その1 工場での四捨五入
JIS丸め・・・目測値の丸め・・・目盛線で丸めてはいけない?
JIS丸め・・・EXECL ワークシート関数のみで丸める
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関係リンク
寸法公差の桁数で有効数字が違います。 – 株式会社創検|三次元測定機プログラム開発・受託測定
・・・測定値の取り扱いをご参照ください。
技術者のための数値の取り扱い方 – 組み込みすと
・・・こちらの方の説明は上記(2)になります。
測定値の取り扱いが上記の方と異なります。厳しい。
JISC 日本産業標準調査会
日本産業規格の簡易閲覧
JISZ8301:2019 規格票の様式及び作成方法
上記関係リンクで参照されておりましたが、本記事の内容に関連する事項の記載はありません。
JISZ8401:2019 数値の丸め方
2026/5/29 図を追加

