江戸時代に改善されなかった火縄銃 現状を疑え! 改善 kaizenのススメ 戦争から学ぶ勝利の秘訣24条 を読み直す7

改善 kaizenのススメ 戦争から学ぶ勝利の秘訣24条 を読み直す 生産

 1998年~1999年に連載され、2000年に刊行された「改善のススメ」。主に、太平洋戦争の日本軍を現代からから見て、一見馬鹿馬鹿しい失敗事例などを挙げて、改善事例のヒントを示した三野 正洋さんの名著だが、現在ではなかなか手に入り辛いらしい。
 いつもの当ブログなら、一冊の書評で一記事なのだが、折角、楽しい?内容なのでエピソードごとにご紹介したい。今回は「小銃をめぐるふたつの謎」と題して、火縄銃の進化と小型機関銃の簡素化を取り上げ、(現状に満足せず)「常に見直す」「簡易化が可能か」と云う現状改善のツボに迫ります。

火縄銃

 別名種子島と呼ばれるくらい有名な火縄銃。16世紀にポルトガル人によって伝えられたこの小銃は、短期間のうちに大量に製造され、全国に広まった。
 工作精度も向上し(日本人がネジが理解できなかったというのは、本書で語られていないが有名だが・・・)、火薬充填量も増え、短距離なら鎧も射抜けるようになった。(本書にはないが)関ヶ原のころには、世界中の半分以上の火縄銃が日本にあったともいわれ、日本は軍事大国であった。
 さて、本書では火縄銃の銃床に注目する。
 現代のライフルなどと比べると、なんか火縄銃は何か打ちづらそうである。不安定で命中率も悪そうだ。この不安定さの要因の1つは銃床の形にある。なぜ、あの形になったのか定かではないが、体にぴったりと押し付けてがっちり固定できるようになっていない。現代の銃のようにがっちり体に固定できれば命中率も上がったであろう。
 しかし、平安な江戸時代の中期に改良がされないのは、致し方ないとして、戦国時代も幕末も、銃床が改良された形跡がない。不思議だ。

短機関銃

 いわゆるサブマシンガンで、手で持って打つ銃である。
 映画ではギャングも使用しているが、軍隊で導入に一番遅れていたのは日本陸軍であった。
 日本陸軍でも必要性は気付いていたが、放置した理由として次の3点を挙げている。
「(1)短機関銃・・・での戦闘方法が確立されていなかった。
 (2)製造にかなりの費用を要する
 (3)弾薬の消費量が急増する          」
特に(2)は従来の小銃と比較して10倍以上コストがかかりそうなので、実用化をあきらめてしまった。
 一方、アメリカなどのグリースガンと呼ばれるM3などでは、手間のかかる切削や鍛造から、手間のかからないプレス加工などを研究し、部品点数を減らして、大量生産にこぎつけた。コストも、それまでの小銃より安いくらい。
 日本の軍部は、庶民には「足りぬ、足りぬ、工夫が足りぬ」と、工夫を求めたいたわりに、自分たちは工夫をしていないと・・・半ばお怒りである。

教訓

・既存の商品や道具も、常に見直すことが重量。これでよいと思ってしまっては進歩はない。
・商品・道具、そして組織においても、簡易化可否の日常的な点検が必要

小生の考え

 小生は火縄銃の進化に思いが至ることはありませんでしたが、言われると確かに進歩していない様に思います。
 ちょっと、本書から外れますが、日本の戦国時代は、ヨーロッパの大航海時代と重なりますが、国内で戦いあっている故に、火縄銃が大量に作られて、ヨーロッパの保有数を凌いだ・・・とも、どこかで読んだか見たかしました。このために、日本に侵攻してこなかった一因ともなっているようです(うんちく)。
 しかし、工業的には、分業制がある程度確立したようですが、機械が全く進歩せず、ろくろとかから旋盤に発展しそうですが、削り出しは完全に手作業だったようです。

 小銃(マシンガン)については、工業力と資源がない国なので、陸軍の判断は同情する点はありますが、著者の「工夫が足りぬ」の標語は、たしかに皮肉とも嫌味とも。

 ひるがえって現代、たしかに確立してしまったものや体制は保守的に働いてしまうことは否めません。が、現状に満足せず、改善に取り組む姿勢は重要だと思います・・・ただ、むやみに、何もないところに優先順位もつけずに、見直し改善を指示してくるのはどうか?と・・・愚痴でした。

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関係リンク
 三野正洋 – Wikipedia
  三野正洋 | 著者プロフィール | 新潮社
 改善 – Wikipedia

 火縄銃 – Wikipedia
 短機関銃 – Wikipedia
  一〇〇式機関短銃 – Wikipedia
  M3サブマシンガン – Wikipedia
 
 


 

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